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コラム

2013年 11月 12日

厚生年金等級を下げることの弊害

 

 

年収は変えずに、毎月の給与額と賞与額を調整して厚生年金保険料を減らす方法記事はこちら)は、いくつか気をつけるべき点があります

 

まず社員さんにとって、給与は生活の糧ですから、そのような支払い方の変更が受け入れられることなのかどうか

当たり前のことですけど、大事な点ですよね

 

次に厚生年金等級を下げることは同時に健康保険等級も下げることになりますので、社会保障全体として被保険者に給付面で不利益がないかどうかの検証が必要です(不利益は絶対おこります)

 

まず健康保険で言うと、もっとも考えなければならないことが傷病手当金です

傷病手当金とは、病気やけがで働けなくなり会社を欠勤した際の給与補填として支給される手当です

標準日額(標準月額を30日で割った額)の3分の2が、給与減額の一日につき支払われます

例えば報酬月額30万円であれば日額は1万円です

つまり、働けなくなった際、健康保険から一日あたり6,666円給与補填が受けられるのです

 

もし30万円の給与の方が支払い方を調整され月10万円となってしまうと、標準日額が3,270円となってしまい、傷病手当金は6,666円から2,180円に引き下げられてしまいます

病気やけがで働けない時の給付の減額はかなり大きな痛手ですね

 

出産手当金も傷病手当と同様に計算されますから、同じインパクトになります

 

これを考えると、社会保険料削減のために無理な支払い調整をするのは、社員さんに対し大幅な不利益を与えてしまう可能性が高いので、うかつに取り組むべきものではないと判断できると思います

※賞与額は、傷病手当金、出産手当金給付額計算の対象となりません

 

年金の方はどうでしょうか?

例えば老齢厚生年金は、やはり等級が計算の対象となります

 

老齢厚生年金算出のための計算式

平均標準月額 x 5.481 ÷ 1000 x これからの厚生年金加入月数(実際には物価スライド等あるので、若干異なります)

 

平均標準月額とは、標準報酬月額と標準賞与額を足して12ヶ月で割ったものです

 

例えば給与40万円、賞与10万円の時は、平均標準月額が41万円となりますから、1年分の保険料負担によって加算される老齢厚生年金は26,966円(41万円 x 5.481 ÷ 1000 x12ヶ月)となります

 

一方支払い方を調整して、月給与10万円、賞与380万円とした場合、賞与は150万円と計算されるので、平均標準月額は225,000円となるので、将来受け取る老齢厚生年金の加算額は14,798円となります

 

確かに厚生年金保険料は労使合わせて年間40万円以上の削減効果になりましたが、その社員さんが65歳以降受け取る老齢厚生年金が年間12,000円ほど減額されるとなるとちょっと考えものですね

1年間の支払い調整で12,000円のインパクトですから、調整が5年、10年と恒常的になると、老後の生活に支障をきたしてしまう可能性があります

さらに、厚生年金は、障害年金、遺族年金にも関わってきますので、単純に社会保険料を削減するために支払い調整をするというのが、いかに弊害があるかご理解いただけるかと思います

 

第一、社員さんの不利益になることを遂行して、社員さんのモチベーションを下げては、元も子もありません

 

 

 

では、社員さんにも喜んでもらいながら、社会保険料を労使共に下げる方法はないのでしょうか?

 

 

 

 

あります!

それが選択制確定拠出年金です

 

選択制確定拠出年金は、決して社会保険料削減のためのツールではありませんがん、従業員さんへの福利厚生を充実させながら副産物として社会保険料の削減まで可能にする仕組みです

 

なによりも社員さんを大切にする経営者さんには、ぜひご検討いただきたい制度です

動画で解説をご覧いただけます こちら

 

※社会保障は個人の損得で考えるものではなく、社会の役割として責任を果たすものですから、単に保険料を下げるということを目的とするのは、やはりさけるべきことでしょう

 

しかしながら、今後どんどん縮小されるであろう社会保障の給付

そこに対しての自己防衛は可能な限りするべきだと考えます


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